問題解決の効率化の論文を読む

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(1) 問題解決の効率化の論文を読む

Arguments for the Effectiveness of Human Problem Solving - Paper Detail

  この論文は深層学習のHPで紹介されており、人工知能の提唱者であるSolomonoffレイ・ソロモノフ - Wikipediaの定理を使っていたことや珍しく式も図表も何にも無いところにも興味が引かれました。

 要はSolomonoffの定理により問題解決の効率を考えるなら6個の提案を吟味しろという話です。また人工知能も同様に設計してよいとも言っています。

 Solomonoffの定理

  問題の解決策m_1,m_2,\dots,m_nが複数あり、その解決できる確率はp_1,p_2,\dots,p_nで、解決費用はt_1,t_2,\dots,t_nの場合には、最も効率がいいのは \frac{p_k}{t_k}が大きい順に試せば最も効率的に解決策m_kを見つけることができる。

 この論文では式は出現しないですが、無理に定式化すると以下になります。

   optimal \ \ m_k = argmax_{k} \left( \frac{p_k}{t_k} \right)

証明は興味がありますが記述はありません。

 

この定理に従うなら問題解決の効率化は以下を探せば良いことになります。

  ・解決策 m_kの列挙

       ・m_kが成功する確率p_kを見積もり

  ・解決に要する費用t_kの見積もり

この論文では問題の解決策の探索に以下の6方法を提案しています。

 1)Discovering similarities  

        既に解決済みの類似した問題を見つける

 2) Discovering relaion or associations

        ピタゴラスの定理の様に間接的に解決策を見つける

 3) Generalization

        この問題を一般的な問題すると多くの解決策が見つかる

 4) Abstraction

       この問題を抽象化して要素に分解して解決する

 5) Intution

       直感的なアイデアで問題を解決してみる      

 6) Context sensitivity

        解決に適合しない部分を取り除く

 

 感想としては人工知能を提案した一人であるSolomonoffが既に1950年代に問題解決に確率的なアプローチを提唱していたのは先駆的と思われます。しかしこの論文の提案である解決策の探索とその蓋然性の推量には確率的な方法が見られず、学術的な論文の意義が損なわれているのは残念です。

    現在Openposeを利用して姿勢の予測モデルを開発していますが、1)  4) 5)の順番に問題を考えています。やはり創造的な手法を開発するには5)の直感が一番大切な気がします。

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